事務職で新人を募集することになった時のことだ。
何通か応募が来た中で、その中の1人の女性を面接に呼ぶことになった。
その女性の履歴書を見た自称キムタクの態度が一変した。
『清楚で可愛らしい!』
どうやら彼のタイプだったらしい。
その日から、彼はウキウキし出した。
聞いてもいないのに、
『今度の子、清楚で可愛らしい感じなんだよね〜』
と、私に何度も言ってきてげんなりとした。
そして、面接当日。
清楚女子から電話がきた。
『お腹が痛くて、遅れます』
面接に遅れるという連絡だった。
面接時間ギリギリに電話が来たのでお局は眉をひそめていた。
そんな中、自称キムタクは、
『女子は生理とかでよくあることですよ。』
と、本人に聞いてもいないのにさも本人の気持ちかのようにペラペラとよく話し、清楚女子をこれでもかと言うほど全力で庇った。
そして30分後。
受付に1人の女性が現れた。
『面接予定の〇〇です』
そこには、写真の面影が一切ない、ひじきみたいなつけまつげをつけた清楚とはかけはなかけ離れた人物が立っていた。
車で来たらしく、来客用の駐車場には見慣れない車があったが、ステッカーやらファーやらで派手に装飾されていて一台だけとても浮いていた。
自称キムタクの方をチラッと伺うと、お通夜の様な表情で項垂れていた。
今思うと、最初の『お腹が痛くて』という言葉も、なんだか信用にかける。
清楚女子(仮)が帰った後、面接をしたハゲが、開口一番
『あれはダメだ』
と言った。
自称キムタクは尚もお通夜状態が続き、ひとことも話さない。
そんなキムタクに追い討ちをかけるようにお局が、
『自称キムタクさん、さっき女性に向かって生理がなんとかって言ってたけど、それってセクハラだから注意してください』
と冷たく言い放った。
自称キムタクは、その日一日中お通夜状態となった。
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辞めたい(妻のブログ1)