年末年始はいつも家でグダグダ過ごしていたので、初日の出を見に行くなんて考えたこともなかった。
夜中に出かけるなんて、この歳になっても少しワクワクしている自分もいた。
『4時に家の前まで迎えに行くね。』
その日はほとんど眠らないまま約束の時間を迎えた。
外に出ると冷んやりと夜風が顔に刺さる。
旦那の車のライトが光っていた。
新しい年。新しい始まり。
ドアを開くと、旦那の顔色は優れないようだった。
『昨日食べた牡蠣があたったらしく、ずっとお腹が下っていてね。』
新しい年の始まりに、旦那は弱っていた。
それから、移動して無事に初日の出をみることができた。
旦那の顔色は日の出のおかげで回復しているようにみえた。
ふと、旦那と目が合った。
『付き合ってくれますか』
旦那が言った。
『・・・お願いします。』
新年の始まり。
私達は晴れて付き合うことになった。
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